P1についての考察、遅くなりました。
master in a peculiar wayについては、私自身の手で削除させていただいたコメントの中で、

> master in a peculiar way　が、まず問題でしょうかということで；
peculiarというのは、1974年版のWebster's New World Dictionary of the American English（古すぎる、アメリカ語版！　でも大きな英英辞典は今、これしか持っていないので）によると、
1. of only one person, thing, group, country etc; distinctive;
exclusive
2. particular; unique; special
3. out of ordinary; queer; odd; strange

master というのは、
a man who rules others or has control, authority, or power over
something

どうpeculiarであるかというのが、コロン以下、
he has no fear, and no desire of possession or domination at all.
ですよね？

つまり、トムは恐れを持たないという意味ではmaster（辞書では他のものを
統べ、支配力、権威を持ち、何かに力を及ぼすものという定義でした）であ
るにもかかわらず、何かを所有したい、あるいは支配したいという欲望を
まったく持っていないという点でpeculiarである。<

と、書かせていただいたのですが、今となっては、ただ辞書を引いただけの物足りない解釈で情けないです。
ただし、上に引いた辞書の記述を見ると、unique, special, out of ordinary, queer, odd, strangeとありますから、であごるさんの『風変わりな主人』が決して意訳のしすぎではないということが証明できたということだけがせめてもの取り柄とでも言っていただければ、本望です。
masterの「主人」という訳に関しても、妥当かどうか、ちょっと考えてみたのですが、うまくまとまりませんでした。唐鳥えるさんが書いてらっしゃったように、「達人」ということも考えましたが、「何の？」と考えると、それもしっくり来ないような…。やはり「主人」しかないのでしょうか。

He merely knows and understands about such things as concern him in his natural little realm.
の部分について、
問題となると思われるin his natural little realmはちょっと置いておくとして、such things は desire of possession or dominationではなく、such something as で、「as 以下のような（such）もの」だと思われます。すなわち、「トムは his natural little realm の中のトムに関係のあることしか知らないし、理解していない（直訳）」ということだと思います。
his natural little realmは、北国のあきさんが引用されていた、エルロンドの会議の中のガンダルフの言葉、「今ではかれは、自分で設定しただれの目にも見えぬ境界線の中の小さな土地にひっこんでしまった。」And now he is withdrawn into a little land, within bounds that he has set, though none can see them に当然、対応すると思われます。字義通りにとれば、彼が決めた境界の中の土地、古森ということでしょう。ブリーから４マイルの街道のところが、
Tom's country ends here: he will not pass the border.
Tom has his house to mind, and Goldberry is waiting!
なのです。