こんにちは。

私もaiwendilさんと同じく、master of himself　という感じがしました。
トムは独特の存在で、他に同じ方法・意味で存在する者がない（in a peculiar way・・・？）。他のすべてのもの（生き物、自然、時間）とは在り方が違うのではないでしょうか。

あと、in his natural little realm　も実はよくわかっていない私です。「今ではかれは自分で設定しただれの目にも言えぬ境界線の中の小さな土地に引っ込んでしまった。」が当てはまるのでしょうか？

原書はまだまだ読めていませんので、瀬田さん訳の新版の方から自分が気になったトムに関する記載部分を抜いてみました（一部、古森のこともありますが）。瀬田さん本が今お手元にないEvenstarさんなど、ちょっとだけお手伝いできると嬉しいです(^^)
*************************************************
☆
「あの方は、森と水と丘の主人なのです。」
「それでは、このふしぎな土地は全部あの方のものなのですか？」
「そうではないのです！そういうことになればさぞ重荷でしょうが、この土地に生えるもの、生きるもの、草木いっさいは、それぞれ自分自身に属しているのです。トム・ボンバディルは主人です。森の中を歩こうと、木のなかを渉ろうと、丘の頂に跳んで行こうと、光の下であろうと、影の中であろうと、誰一人トムをとらえたことはないのです。トムは何も怖くないのです。トム・ボンバディルは主人です。」
☆
「〜。だけどわたしはあんたを待ってはいたんだよ。わたしたちはあんたのことを聞いていた。そして、あんたが旅に出たことを知っていた。」
（ある方法でギルドールから届けられた）
☆
これは事実とても古い森だったのです。もうすっかり忘れ去られた昔の広大な森林の生き残りでありました。そしてこの森の中には、山々よりもゆっくりと年をとってきた木の祖先の祖先が今なお生きていて、自分たちが主人であった時代のことを憶えているのでした。
☆
「あんたはまだ私の名前を知らないのかね？答えはこれだけだ。あんたはわたしにだれかというが、そいういうあんたはだれなのかね？あんたはただひとりで、あんた自身で、そして名前なきものではないかね？ただあんたは若く、私は年寄りだ。最年長、それが私の正体だ。言いかね、皆の衆、トムは化和や木よりも先にここにいた。彼は大きい人たちより以前に道を作り、小さい人たちがやってくるのを見た。彼は王たちや墓穴や塚人たちより先にここにいた。エルフたちが西方へ渡りはじめたとき、トムはすでにここにいた。海が湾曲する前のことだ。彼は星々の下の暗闇が恐れを知らなかった頃のことを知っている。−外の世界から冥王が来る以前のことだ。」
☆
指輪は、トムの茶色の皮膚をした大きな手の上にしばらくのせられている間、だんだん大きくなるように見えました。
☆
「トムと、トムの愛する人のためのきれいなおもちゃだ！今度はゴールドベリにこれをつけさせよう。わたしたちはあのひとのことを忘れやしないぞ！」
☆
「むしろ、指輪が彼を支配する力を持たぬというべきじゃろう。かれはかれ自身の主人なのじゃから。しかし、かれは指輪それ自体を変えることはできず、また指輪が他のものに及ぼす力を破ることもできぬ。そして、今ではかれは自分で設定しただれの目にも言えぬ境界線の中の小さな土地に引っ込んでしまった。おそらく時節の変わるのを待っておるのじゃろう。じゃから、かれはこの境界線を超えることはあるまいよ。」
☆
「最初のものであったのと同じく、」（グロールフィンデル）
☆
「ともあれ、わしは間もなく道をそれるじゃろう。ボンバディルとゆっくりしゃべろうと思っとるのじゃ。かれは苔むすほどの不動石じゃが、わしは転がるべく運命づけられた石じゃった。じゃが、わしの転石の日々も終わろうとしておる。わしらには互いに話すことが山ほどあるじゃろう。」
☆
「まったく心を煩わすことなく、そしてまたわしの推測じゃ、わしらの見たりしたことにはたいした関心も寄せずにおることじゃろうて。まあわしらがエントを訪問したことにはひょっとしたら興味を持つかもしれんがね。」