おお、であごるさんの最終翻訳案は、なめらかなだけでなく、とても自然なかんじで洗練されている印象を持ちました。私の翻訳案も、再考させていただき、それにそって改変すべきと考えた点は改変しましたので、再度ご覧下さい。変更、またはそのままにした箇所について、以下に説明させていただきます。

＊ He is a master in a peculiar way　について、これを「トムは風変わりな主人なのです。」とするか、「一風変わった意味でではありますが、トムは主人なのです。」とするかですが、この相違はとても興味深いですね。私としては、やはり後者を押したい。何故かと言えば、前者はもしも原文が　Tom is a peculiar master　となって、peculiarがmasterの直接の修飾語となっていた場合に一番ふさわしい訳だと考えるからです。In a peculiar way となると、副詞的に使われてTom is a masterという文全体にかかってきます。（しかしうかつにも、私は読み解きのタイトルで、「master in a peculiar way」とは？などと出してしまったのですね。これが混乱の元凶だと思います。大変申し訳ありませんでした。）ですから、このin a peculiar wayのニュアンスにより近いのは、「一風変わった意味でではありますが、」だと思うのです。

＊ has no fear　は、「おそれ知らず」がいいと思うのです。ただこの場合、漢字はどちらになるのでしょうか？　「恐れ知らず」ですか、それとも「怖れ知らず」ですしょうか？　どうかご教示を！

＊ 「占有や支配への欲求も全くないのです。」以下、なめらかで洗練されている印象です。私の翻訳案も、これをいただいて改訂しました。"柳じじい"とアポストロフィーでくくるのも、とてもいいアイディアではないでしょうか。ただ、以下についてだけお断りです。

＊natural little realm の　natural は、やはり「自然の・・」として訳文に挿入します。

＊ ＊as far as can be seen、これが何故受身で表現されているかというと、一般的に明らかな事柄を表現しているからです。従って、隠された主語は、we　です。これは、語りかけているヘイスティング氏に対して、「あなたも既にお分かりのように・・」というニュアンスがこめられています。もしもこれが、教授にしか明らかでないのなら、このように主語を省略した受身表現にはなりません。必ず、as far as I can see　となります。ですので、これはやはり、「私」ではなく、「私達が知るかぎり・・」が適当です。

＊ ＊「追放させようとも・・」となると使役になってしまいますから、「追放しようとも・・」が適切と判断しました

他の皆様も、お考えをお聞かせ下さい。