月猫さま、ケイ様、そして皆さん

お二人のご意見、ごもっともですね。これぞ共訳の醍醐味でしょうか。

＊　such things as concern him　についてです。

お二人のご指摘どおり、正しくは「彼に関係してくること」なのですね。私事で恥ずかしいのですが、私も学生時代におせっかいをやいて、始終友人に、“It does not concern you!"　（君には関係ないだろう！）と言われていたという経緯が・・・。

何故それでは、私は「関心があること。」を選択したかといいますと、「トムは彼の自然の小さな領域の中のことについて、『関係してくることだけを』良く知り理解する」、とすると、ちょっと消極的な表現のように思えてくるんです。トムという人物は、もうちょっと主体的にもろもろの事象を「知り、理解しよう」としていたのではないか。だから、「関心があること」のほうが、トムの営みについて彼の主体性がもっとよく表現できるのような気がしたのです。しかしこうすると、まさに意訳ですので、異論は当然だと思います。

＊　as far as can be seen　について

これの隠された主語は、we　にほかなりません。これはもう文法上あきらかですので。ただ、we と　「私達」は違うとのケイさんのご指摘、これにははっとしました。おっしゃる通りですね。私は、この受身表現は、能動的な訳を選択したほうがなめらかになると考えたのですが、この場合の　we と　「私達」のニュアンスの違いは落とし穴ですね、すっぽり落っこちてしまいました。ですので、私の案は、お二人のご指摘に沿って改変いたしました。