共訳フェロウシップ 初期写本
研究室＠袋小路屋敷の庭
I do not mean him to be an allegory - or I should not
have given him so particular,individual, and ridiculous a name -
but 'allegory' is the only mode of exhibiting certain functions:
he is then an 'allegory', or an exemplar, a particular embodying
of pure(real) natural science:
the spirit that desires knowledge of other things, their history
and nature, because they are 'other' and wholly independent of
the enquiring mind, a spirit coeval with the rational mind, and
entirely unconcerned with 'doing' anything with the knowledge
: Zoology and Botany not Cattle-breeding or Agriculture.
難しい･･･
「,」や「:」や「―」がモルドールの文字に見えるため、文意が逆になっているかもしれません。全体のスタイルにも趣きを凝らしてみたのですが･･･
私はトムを寓意とするつもりはありません。あるいは、これほど独特で、個性的で、途方も無い名を付与するつもりはありませんでした。然るに、'寓意’はある要素を表す唯一の在り方なのです。なればトムは、純然たる自然科学を具象化した、たぐい稀なる'寓意’もしくは典型となるでしょう。その精神が歴史や自然などの他の物事を知ろうとするのは、それらが探究心から完全に独立し存在する'対象’であるためでして、それは合理主義同様に古く、知識をもって何かを'為さん’とする意図を全く持たないものであります。即ち、畜産学や農学にあらず、動物学や植物学の如きものなのです。
どちらが正解？
a spirit coeval with the rational mind,の部分ですが、人によって訳の意味が全く逆になっています。
これは、トムが『with the rational mind』とは違うという意味なのでしょうか、それとも『with
the rational mind』と同じという意味なのでしょうか。
coeval＝同時代の？という感じだと思うのですが、それによって、トムの精神が『rational
mind』とは違う精神として並立していることを意味するのか、『rational
mind』と同じような意味を持つとなるのか、どちらなのでしょう。
coeval with the rational mind
私はこの語を合理主義としてしまったのですが、その一つに唯理論というものがあります。これは国語大辞典によると、自然主義（ナチュラリズム）の古い言い方らしく、『超自然を排して、自然の理に訴えて全ての事象を解釈する立場』とのこと。また、自然主義を見ると、『哲学で、自然をただひとつの実在とみなして、精神現象をも含めて一切の現象を自然の産物と考え、自然科学の方法で説明しようとする立場』らしいです。
これを見ると、まさに教授の言わんとする『トム・ボンバディル』なのですが、つまり「rational
mind」とは、デカルト・スピノザ・ライプニッツなど（16〜17世紀）の哲学から生まれた思想のことなのでしょうか。
だとすると、「a spirit coeval with the rational mind」とは、それと同じ時代の（起源を同じくする）精神ということでしょうか。
深く考えると、余計見えてこなくなりそうです。